ひとりきりの夜の時間

この間夜中に目を覚ますと、窓の外で、まるで嵐が来ているかのようごおごおという音が聞こえました。雨は降っていないのに風が強くて、家ががたがたと震えているのです。大人の私は「これで起きちゃったのか。うるさいなあ」と布団をかぶりました。でも眠れずに目を閉じている間にふと、子供の頃のことを思い出したのです。
台風で眠れなかった日に停電になり、真っ暗な中必死に廊下を歩いて、両親がいる部屋に向かったあのとき。「大丈夫、すぐ電気つくようになるよ」と言われて実際そうだったのだけれど、本当に怖くて、朝まで部屋に戻ることはありませんでした。今となっては微笑ましくも恥ずかしい思い出です。
夜を怖いと思わなくなったのはいつからでしょう。学生時代はひとりで過ごせる静かな時間として、読書を楽しんでいました。大人になってからは残念ながら体力が続かず、休息の時間になっています。一日が三十時間くらいあったら、もっといっぱい本が読めるのですけれどね。すべきこととやりたいことの優先順位を間違えてはいけないと思いつつも、未読のままたまった本の山が目に入ります。いつか、寝坊しても構わない日の前日に、たまには夜更かしをしてみましょうか。

親友二人の不思議な関係

私の友人の一人は、本を全く読みません。ずっと一か所に落ち着いているのが苦手なのですって。そのせいで、ドラマや映画も苦手としています。もう一人の友人は、読書も映画も大好きです。他のことは見えなくなるほどその世界に没頭し、集中している間はずっとじっとしています。そんな二人が、親友同士なのですよ。
お互いの考えを否定することなく、自分の趣味を押し付けることもなく、彼らは昔から一緒にいます。だからといって、何かを一緒にやるということはありませんが、音楽の趣味が一緒です。一方は歌ったり踊ったり、楽器を弾いたりしながら聞いて、もう一方は、ただひたすらじいっと聞き入っています。お互い相手に「静かにしろ」とか「一緒に歌おう」とかは言いません。
タイプが違う二人を繋いでいる音楽って偉大ですね。ちょっと仲間に入りたい気がするけれど、あの独特の空気を壊したくないし、自分の浅い知識では申し訳ない気もして、曲を聞いている時は邪魔をしないようにしています。ちなみに私が彼らと友達なのは、学生時代に同じ班になったからです。それ以来なんとなく一緒にいて、気付けば皆大人になりました。縁も切れずに、年に一度ほど集まっています。不思議な関係ですね。

変わらない本の好み

この間、長く使っていたDVDレコーダーが壊れてしまいました。読み取りをする部分がおかしくなってしまったのか、録画はできるのですが、再生ができないのです。修理をお願いしようと思ったけれども、どうやら買った方が安い様子……ということで、再購入を決めました。
ただ最近の主流はブルーレイレコーダーですし、機能も昔よりだいぶ増えていますので、実際に買う前に、いろいろと下調べをしないといけません。けして安いと言えない品物だからこそ、後悔することだけは避けたいのです。これは何を買う場合にも、同じことですよね。スーパーで野菜ひとつ選ぶにも、重い物が良いとかめがつまっている方が美味しいとかありますもの。それは主婦の友達に聞けば詳しく教えてもらえます。レコーダーは、家電製品に詳しい友人に相談してみようかしら。
困った時には聞いてくれる人がいて、自分は恵まれているなあと思います。そんな彼らにできるお返しは、各々が好きそうな面白い本が出た時に、教えてあげることくらいでしょうか。仲良しグループそれぞれが選んだ道は、今はまったく違った方向に進んでいるけれど、最初知りあったきっかけは、共通の作品のファンだったことなのです。

書庫は夢のたまもの

活字中毒とはよく言ったものだなあと、最近実感しています。だってそれを公言する友人は、活字ならばなんでもいいという勢いで、欲しがるのですもの。かくいう友人は常に本を持ち歩いてはいますが、それをうっかり道中で読み終えてしまうと、電車の中に置き忘れられている新聞や、フリーペーパーを読み始めていました。それがない時は車内広告に目を向けていたこともありましたね。彼女曰く「読んでいないと落ち着かない」のだそうです。
しかしもちろん、いつもこのような状態なのではありませんよ。当然仕事などには集中しますし、テレビだって見ることがあります。こうした症状が出るのは、あくまで彼女自身が暇だと思っている時限定です。しかし最近は、電子書籍を愛用しているせいで、このように文字を探すことはなくなりました。今読んでいるものが終わってしまったら、ボタンをぽちっと押すだけで、いくらでも本が買えるからです。
まったく、彼女にとっては天国のような時代になったものです。そんな友人は先日、自宅に書庫を作ったそうです。そういえば、学生時代に「そんなに本が好きなら、図書館の隣に住めばいいじゃない」と話したことを思いだしました。懐かしい思い出です。

倉庫を支えているのはロボット?

先日テレビで、大手通販会社の倉庫の中を見る機会がありました。広くてごみひとつ見えない清潔な廊下にもびっくりしたのですが、それよりも驚いたのは、荷物の入った棚を、下に車輪がついたロボットが運んでいたということです。誰かがリモコンで操作でもしているのかしらと思ってしまうほど見事な動きで、けしてぶつかることはありません。
あとから聞いた説明によると、お客様から注文が入ったら、このロボットたちが荷物の入っている棚を人間のところに持って行き、人はそこから必要なものをピックアップするのだそうです。要は、人間が該当の商品を探し回る手間がなくなっているわけですね。なんと見事な発想と技術でしょう。お掃除ロボが市販された時もかなり衝撃的でしたが、これはもう本当に、ここまできたかという感じでした。
もし少子高齢化で、元気に働ける年代が減っていくのだとしたら、このような手助けはありがたいですね。いつか家の中にも当たり前に、ロボットが参入してくる時代がくるのかしら。それとも、ボタンひとつでできあがった料理が出てくるとか。それこそ漫画みたいだなあと思いながらも、そのような未来はそう遠くないのかもしれないと思っています。

得意を生かして魅力アピール

新しくできた書店に行ってみたら、大きな文具売り場と一体化した造りになっていました。ふと隣を見ると可愛らしい文具がいっぱいあって、目の保養になりましたね。この前新設のところはカフェがついていましたし、一階が個展などを開けるギャラリーで、二階が書籍売り場になっているところもあります。本を売るだけでは経営が難しいのでしょうか。それとも、読書離れをしている人達を、別のもので引き寄せようとしているのかしら。どちらにせよ、新規オープンはありがたいことです。
そういえば、近所にはありませんが、専門性の高いお店も存在するようですね。猫に特化していたり、電子機器に関するものが置かれていたり、歴史に関するものが中心だったり……こういうものは、それが好きという人にはたまらないものでしょうね。そういうところはたいてい小さい店のようですが、実際、全国から人が集まるのだとか。
結局のところ、何事でも、自分のウリを前面に押し出していくのが大切なのかな、と思いまます。就職活動で「あなたの長所はなんですか」と聞かれた時に、困ってしまうようではいけないということでしょう。しかしそう考えると、私のいいところ、得意分野はなにかしら。考えてしまいますね。

読書と日常、出所の違う知識

先日初心者用のレシピ本を貸した友人から、驚きを示すメールが送られてきました。「ねえ、これ初めて知ったんだけど、ハンバーグのお肉って、あいびきをつかうんだね。うち、豚だったよ」家庭の味はそれぞれですから、家人の好みによっては、そのようなこともあるでしょう。友達はどうやら、外食の時はお店があえて、特別なお肉を使っていると思っていたそうです。
日常になっていることのなかにも、このような新しい発見はあるのだなあと実感した出来事でした。ちなみに私が最近知ったのは、毛玉をとりすぎると、布地が薄くなってしまうということでしょうか。今まで特に意識したことはなかったので、考えてみればそうだよなあ、と納得したのを覚えています。
私はこれまで、本をたくさん読んできて、他の人よりは物事を知っているような気になっていました。でもそれは教科書で学ぶようなものや、自分が興味を持っていることについてだけだったのですよね。経験から得られることの中にも、そして当然、書籍の中に書いてあるものについても、まだまだたくさんの未知なる情報があります。けして自信過剰にならず、読書と日常生活を併用して、これからもいろいろなことを学んでいけたらいいと思います。

お古のおかげで本が二倍

この間近所のスーパーに行った時に、姉妹と思われる少女が、お揃いのワンピースを着ていました。それで思いだしたのは、自分の子供時代のことです。末っ子の友人は「自分はいつもお古を使っている」とぼやいていました。
子供はすぐに大きくなってしまいますから、親としては、個々に買うのは勿体ないと思うのでしょうね。今ならばその気持ちはわかります。でも本人としては「いつも新しいものを買ってもらうのは、お姉ちゃんばかり」という不満があったのでしょう。ただ私は、それを羨ましいと思っていました。だってたとえば、読書感想文を書く時のことを考えてみてください。あれは課題図書が決まっていたので、お古ではなく、彼女は新しい本を買ってもらえたんです。そうすると、姉の分と自分の分で、二冊の新刊が読めるんですよ。私は毎年厳選して一冊選んでいたのに、です。
隣の芝は青いと言いますが、結局はどっちもどっちなのですよね。親も限りある収入の中で苦労して子育てをしてくれていたはずなので、何も言えませんが、私が今たくさん本を買ってしまうのは、当時の反動もあるかもしれない、と思っています。ただ単に、面白そうな作品があるから、というのも考えられますけどね。

頑張らない読書

友人が「本って表紙を開くのが、ハードルが高いことあるよね」と言いました。確かにそうなのですよね。疲れている時は、そのたったひとつの行動が、とても手間に感じられるのです。しかしだからといって、電子書籍を読むために、パソコンのキーボードを叩くのも面倒と感じられるのですから、もうどうしようもありません。
私は、そういう気持ちの時は、自分は本を読みたくないのだろうと、きっぱり割り切ることにしています。たとえ図書館で借りてきたものの返却期限が迫っていたとしても、読了を諦めるのです。だって、無理をして読んだって内容は頭に入ってきませんし、苦痛なだけですもの。気がのらなくても頑張らなくてはいけない読書は、勉強に関するものだけだでしょう。
学生時代、嫌いな科目の教科書を読むのは、本当に嫌でした。テスト前だから集中しなくてはと思うけれど、やりたくないという思いが先に立ち、時間だけが経過していくのです。改善したのは、時間を区切ることを覚えた時でしたね。一時間だけ頑張ろう、そう思えば、案外乗り切れるものです。ただその策を得てなお、大人になって、そのような苦労なく好きな本が選べるようになった時は、嬉しかったですね。自由は幸福に通じるものだと実感しました。

公式ガイドで興味津々

有名な映画やドラマ、アニメなど、時々、公式ガイドと呼ばれる本が出版されることがありますよね。大抵は書店の目立つ場所に平積みになっていることが多く、該当作を知らなくても、つい目を惹かれます。ただ私の場合、そのまま購入してしまうことすらあるんです。たとえば表紙に出ている登場人物が格好良かったから、あるいはふと手に取ってあらすじを読んだら、面白そうだったから、等々。つまりその本が、私の興味を原作へと惹きつけたということですね。
その後は当然、元となった作品を見ますよ。夢中になるかならないかは、その時次第。なにせ先に公式ガイドを見てしまっているので、ちょっとしたネタはわかってしまっていますから、ちょっとした確認作業にも近い思いです。でも画面に映っている方はやっぱり素敵で、ストーリーは魅力的。後々も追いかけるほどになるかはわからずとも、その時は精一杯楽しんでいます。
公式ガイドなんて、本当にマニアなファンが買うんだろうと思っていた頃もありましたが、このような経験を経て、今ではすっかり考えが変わりました。人気作の『面白い』がたくさん詰まった最良テキスト、もし良さそうなものがあったら、またなにか買ってみようかしら。