メモに書かれたリストの記憶

お財布の中身を整理していたら、小さなメモを見つけました。開いてみれば、本の題名がずらりと並んでいます。どうやら、欲しい本のリストのようです。今はたいていのものはネット通販で購入するので、こんな一覧にまとめることはありません。興味の内容からしても、どうやらしばらく前のもののようでした。
そういえば、こういうのを集めていた時期があったなあと懐かしく眺めながら、書棚に並んでいる作品を思い浮かべます。当時集めた物は今も何冊か残っていますが、全部が奥にあって、ここ最近は、手にとった記憶すらありません。おそらくは、読み返すことも近いうちにはないでしょう。でも昔は、こうしてリストにするくらい熱心に探していたんですよね。時間の経過、自分の成長を見ているようで、なんとも不思議な気持ちになりました。
今度ゆっくり過ごせる時間ができた時に、書棚から引っ張り出して、ページをめくってみようかしら。原点回帰じゃないけれど、古い記憶の中に新しいことが見つかりそうな予感がしています。もちろんただの直感なので、当たるかはわかりませんけれど、ちょっとした労力を費やせばいいだけなので、そういうつもりで古い作品を見てみるのも面白そうです。

自分の素の在り処

友達の子供が、毎日同じDVDを見ているそうです。彼はまだ幼稚園児。きっとアニメだろうなあと微笑ましく思っていたら、友達宅に遊びに行った時「これだよ」と見せてくれました。なんと親世代が懐かしむようなアーティストの、ライブDVDです。なぜこれが、と思いきや「きらきらするのがかっこいいから」ですって。舞台効果のことですね。この子は将来、その業界で活躍するのかもしれないと、親と一緒に笑いました。
こういう子供時代の記憶は、大きくなってから残らない場合もあると思います。でも、好きという気持ちはきっとずっと、胸にあるはず。だからでしょうね。大人になって「やりたいことがわからない」という若者は、小さな時に夢中になったものを突き詰めていくと、やりたいことが見つかる場合が多いのですって。たとえば、プラモデルが得意だった子は、手先を使う仕事を選んだり、計算が早かった子は、数字を扱う業務に就いたり、ということです。
かく言う私は、仕事ではないけれど、本を読む趣味だけは、ずっと続いています。住む場所が変わって、慣れない土地で苦労をした時期も、転職して多忙を極めた時も、体調を崩した夜ですら、読書だけはやめられなかったのです。