未来の自分に贈るお気に入り

子供時代に一度だけ、タイムカプセルを埋めたことがあります。ただ何を入れたかも、実際に取り出したかも覚えていません。もし今同じようにタイムカプセルを作るとしたら、何を入れるでしょう。
友達に聞いてみたら、ひとりは迷わずアルバムと答えました。家族写真を残して、今の幸福を将来の自分に伝えたいのですって。素晴らしく理想的な回答で、羨ましいほどです。別の友人は、今読みかけの本を入れると言いました。「読みかけなのにいいの?」と尋ねてみると「実はあまり好みじゃないから、未来の自分に先を託す」とのこと。マイナス思考なのかプラス思考なのかわかりませんが、愉快な答えです。私だったら、お気に入りの本を入れたいですね。将来の自分もまだこれが好きかしら? そんなことを聞いてみたいです。
その後皆で話したところによると、子供時代のカプセルは授業で埋めたもので、数年後に掘り返したそうです。ただ私がすっかり忘れていただけでした。そんなに小さなころなら親に話したでしょうから、家族がなにか覚えているかしら。……入っていた物がお気に入りの本だったら嬉しいけれど、もし家族に向けた手紙とか書いていたら照れくさいので、やめておきましょう。

謎の本選びで開運

いつだったかのお正月あけ、「福袋を配った図書館がある」と聞いたのを思い出しました。司書さんが、子供や大人などの対象ごとにお勧めの本を袋に詰めて、まとめて貸し出すのですって。借りる人は題名はわからず「小説」とか「ノンフィクション」などのカテゴリーだけがわかる仕組みです。なんて面白い発想なのでしょう。
そういえば、書店やDVDショップでも、題名を隠して販売するという試みが行われているところがあるそうです。DVDには「これはこんなお話です」という実に端的な説明が書かれていますが、書籍の場合はまったく、なんのヒントもありません。まさに運試し、くじのようなものです。私は一度こういうタイプのお店で買ったことがありますが、袋を開封する時のドキドキ感はすごかったですね。
しかも買ったらやっぱり、もったいないから中身を読むじゃないですか。自分では選ばないタイプの話だったのですが、それを読んだことにより、新たな世界がぱっと開けた感じがしました。以来、読書のジャンルの幅が広がったので、私にとってこの謎の本選びは、とても良いことだったと思います。なかなか行われているものではないけれど、またどこかで見かけたら、ぜひチャレンジしてみたいですね。