先日ふと、人との付き合い方は、本との付き合い方に似ていると思いました。最初は「どんなことが書かれているんだろう」とわくわくしてページをめくり、読み進むうちに好みがわかれ、自分との相性を考えるようになります。その頃には相手の内面、本で言うならば内容を理解していますから、あとはどのような距離感で接していくか、と検討するわけです。毎日手にとるお気に入りにするのか、それとも困った時に開く教科書的なものにするのか。それによって置き場も変わるでしょう。
それを友達に言うと、彼女は「面白いことを考えるね」と笑った後に「私はどんな本だった?」と聞いてきました。「ずいぶん昔から付き合っているから、愛読書かな」と答えた時には「ありがとう」と言ってくれましたよ。
実際は毎日会っているわけではないから、単語の意味としたら、適切ではないかもしれません。でも、いつでも安心して手にとれる安心感や、どんなことでも話せる信頼はずっと変わらないのですよ。長く心の支えになってくれる愛読書にも等しい、いえ、それ以上に大事な人なのです。私は彼女にとってどんな存在なのかしら。尋ねる前に「あなたも私の愛読書」と教えてくれました。嬉しいけれど、照れますね。