温まりながら堪能する冬の小説

とある雨が降る夜、布団の中で小説を読み耽っていました。その日は少々肌寒かったため、温かい毛布と厚手の布団をまといながら読書を楽しみました。読んでいた作品には雪がよく降る冬のことが書かれていたことを覚えています。冬が訪れる前に様々なことが起きたようで登場人物達にとっては忘れることの出来ない一年だったと文中に書かれていました。私が最も印象に残ったのは数ある出来事は去ることながら雪の夜の光景でした。悲しいことや辛い出来事が起こったにも関わらず、空から舞い落ちる雪はこうした出来事をまるで温かく包み込んでいるように感じたからです。また外は寒くて凍えそうなのに部屋の中にいる登場人物達は過去を淡々と振り返りながら、生きていることをしっかりと噛みしめているように思いました。こうした光景は決して美しくて素敵なことだけがある人生ではないことを悟った上で、憂いを持ちながらも愛する者を慈しみながら暮らしてゆく大切さを教えてくれたのでした。
寒い日に暖かい部屋にいるとホッコリとした気持ちになり幸せになります。それは生きることも同じなような気がします。思いも寄らない嵐が身の上に訪れても、それを遮り雨宿りできる拠りどころがあることはささやかな幸せを感じることにも繋がります。この小説をまた読む機会があれば、雪の日にココアでも飲みながら作品の世界観を堪能できたらいいと思いました。

未知なる本を手に取る時の心得

新刊がどんどん発売される昨今、すべての本を読んでいるという方はいないでしょう。たいていはお気に入りのジャンルがあったり、作家さんがいたりするものです。私もいつもは決まった方を中心に読書をしています。しかし時々ふと「まったく知らない、新しい人の話を読んでみたいな」と思う時があるのですよね。
そんな時に役立つのは、やはりインターネットです。いつも使っているオンラインショップでは、購入履歴からお勧めを教えてくれますし、出版社のサイトにはたいてい書影とあらすじが載っています。その中からちょっとでも「面白そうだな」と思ったものを探すのです。どうして自分の感覚に引っかかるのかなんて、考えてはいけません。たとえば表紙が綺麗だったから、作者の名前が気になったから、あらすじのワンフレーズに心がときめいたから、何でもいいと思います。
そしてそのままサイトで実際に購入……ではありませんよ。新刊ならば、書店に行ってその本を手に取って、可能ならばちらっと立ち読みをして、最終的に買うかどうかを決めるのです。一冊買うのにそこまで手間をかけるの?と言われたこともありますが、お金には限りがあるので、熱心に検討したいというのが本心です。

ダーリン一冊、持ち帰り

この間、久しぶりに大きな書店を訪れました。欲しい本はなんでもインターネットで買えますが、そのときは目的のものがあったというよりは、ただたくさんの表紙を見て、気分転換したかったのです。広い店内を適当にぶらぶらと歩き、気になったものを手に取って立ち読みして、疲れたら近くのカフェでひと休み。その間に、さっき見た本を購入しようか考えて、結局最後には、それを持ってレジに並びました。まさに理想通り、素敵な休日です。
自宅に帰って、買った本を袋から取り出すと、なんか急に、それが「自分の物」になった実感がわきました。ただそれは同時に、どきどきときめく気持ちが薄れてしまうことでもあります。内容は楽しみなのですよ。でも新しいものを手に入れて感動が、もっとほっこりしたものになるというか……なかなかうまく表現できませんが、そんな感じなのです。
その後はちょっと忙しかったので、ページをめくることができたのは就寝間際になりました。しかしここで読み始めてしまうと、寝不足確定。とりあえず開いただけですぐ閉じて、読書は翌日までお預けです。しっかり眠って体力を蓄えて。その方が内容もちゃんと読み込めますからね。読書にだって、健康第一なのです。

新装版で安心読書

友人が、お気に入りの漫画が再販されたと喜んでいました。昔のバージョンも持っているのだけれど、何度も読んできたから、もうぼろぼろになってしまったんですって。そこに新装版の販売ですから、それは嬉しいでしょう。今度からはページをめくっても壊れる心配のないこちらを、読み込んでいくと言っていましたよ。
正直に言えば、内容が変わらない新装版は、すでに古い作品を知っている読者にとって、あまり目新しいところはないわけです。「同じの持ってるから、今回は買わないでおこう」という人も多いでしょう。しかし私も友人同様、つい購入してしまうのですよね。昔のは日焼けしちゃってるし……表紙の絵が違うし、などなど、もちろん自分なりの理由はつけますよ。そして新しいのを買ったところで、古い物も手放しません。結果、書棚には同じ題名のものが二冊並ぶことになります。
私は友人のお気に入りを持っていないので、この機会にぜひ購入しようと思っています。面白いとは聞いていたけれど絶版で、どうしようもなかったのです。続々と出版されるらしいから楽しみだなあ。しばらくの間は、これを楽しみに日々の生活を頑張っていきましょう。欲しいものがあれば、何をやるにも俄然力が沸いてきます。

読書に大切なのは、読みたい気持ち

この間オンラインショップから届いた本を、まだ開封することができません。積読がたくさんあるから順番待ちをしているというわけではないのですよ。期待が大きすぎて、実際に見るのが怖いのです。それに「自分はこの話を読むのにふさわしい人だろうか」と思ってしまうというのもあります。もちろん、読書をするのに「その作品が読みたい」という以上の条件などないということは、わかっているのですよ。
ただ私はいつも、この素晴らしい話を読むより前に、やるべきことあるのではないか、と考えてしまうのです。そして結局流行りを過ぎた頃になってやっと目を通し「もっと早くに読んでおけばよかった」と後悔します。そうすれば、もっと皆と一緒に盛り上がれたのに、ということですね。自分がその話に相応しい価値があるかどうかなんて、誰も求めていないというのに……自意識の問題でしょうか。
でも何度もそれを繰り返しているということは、これが私の性分なのでしょう。しかたありません。あとは自信を持って「私は頑張っているのだから、読書くらい自由にしてもいいのだ」と言いきれるように、日々の生活において努力するだけですね。一番難しいけれど、一番自分の身になるとは思います。

本のセレクトショップ発見

最近、素敵なオンラインショップを見つけました。新刊や売れ筋ではなく、店主お勧めだけが並んでいる書店です。リトルプレス、いわゆる少部数発行の本や、個人出版したものなどが多く置かれています。だからサイトを見ていると、外装も中身も個性的な作品がたくさんあるのですよね。好みが合えば大好きになることは間違いなしです。
そこ
を知ったのは偶然で、時間つぶしにインターネットをしていた時のことでした。一目惚れするような愛らしい本を発見したのですが、それを売っているのがそのサイトだったのです。多くの書店が縮小していく中、こんなところもあるのかと感心したことを覚えています。
さっそく見つけた書籍を注文したところ「個人が作業するので、お届けまでに少し時間がかかります」とのことでした。なるほど、手作業なのですね。特に急ぐものでもないので問題はありません。今は何かを注文したら、翌日に物が届くこともある時代なので、こののんびりさに、ちょっと心が和みました。便利な方を当たり前と受け取り、本来ならば不便と感じるほうに親しみを感じるなんて、不思議なことなのですけれどね。今は注文したものを待っている最中です。いつ届くか、楽しみだなあ。

廃品回収で友達ゲット

新聞紙や雑誌などを廃品回収に出しに行き、回収場所で近所の人に会い挨拶などをしていたのですが、その人が突然「その本、捨てるなら貰えませんか?」と言いました。倉庫の奥にずっと置きっぱなしになっていた、古い月刊誌の山です。私としては、その方が持って行くことに何の問題もなかったので快く渡すと、その人は「その表紙の漫画、読みたかったんです」と笑みを見せました。
どうやら、好きな作家さんの短編が載っている雑誌だったようです。短編はコミックスにならないものもありますからね。そうなると過去の作品を読むには雑誌を手に入れるしかありませんが、なにせ期間限定もの、一度逃すと購入は難しいわけです。つまり私たちは、ちょうどよいタイミングで会ったということでしょう。その話が掲載されている号を、一番上にしたのも、偶然ですが良かったのですね。
相手は私よりも年上の方で、今までは世間話をするにしても、それほど突っ込んだ内容は話してきませんでした。それが、こんなところで漫画友達になるなんて、なんて嬉しいことでしょう。今度お礼に、お勧めの作品を貸してくれるとのことなので、楽しみにしています。私もなにか、貸すものを選んでおこうかな。

アンソロジーは味見に似ている

この間ネット通販で頼んだアンソロジーが、やっと届きました。数人の作家の短編がまとめられているこれは、私がずっと待ち望んでいたものです。この短編が面白かったら、個々の作家さんの長編にも手を出してみようと思っています。
こういうことをするようになったのは、以前、新しく知った作家さんの本を読んだときに、どうしてもそれを好きになれなかったからです。あらすじには私が興味を持っているキーワードが散りばめられているのに、頑張って読み進んでも文体に慣れることができないという経験は、あの時が初めてでした。以来、気になる方が参加しているアンソロジーがある時はできるだけそれを読んで、その人の書き方を確認するようにしています。もちろん、書店での立ち読みでも、対応は可能です。
すべての本を面白いと言えればいいのですが、残念ながら、そういう時ばかりではありませんからね。たとえば学校の宿題に必要だとか、会社で支持されたとか、よほどそれを読まなければいけない理由がない限り、自分が心から楽しめる好きな作品を選ぶことも大切でしょう。読書が苦手な人にこそ、試してほしいですね。そうすればきっといつかは、本を読むのが好きになるような作品に出会えるはずですから。

早朝気付いた届け物

この前、朝起きて新聞を取りに玄関に行ったら、ポストの中に、以前ネット注文した本が届いていました。こんな早朝から荷物が来るわけがありませんから、確実に昨日の夜にはここにあったのでしょう。私はどうして気付かなかったのかしら、これがあると思えば、昨夜は楽しい読書タイムだったのに……と当然後悔しましたが、いくら悔やんだとお露で、時を戻すことはできません。結局その日は、その本を読むことを楽しみに、多忙な時間を乗り切りました。
ただ、このような楽しみがあるのはいいことですね。ご褒美が待っていると思えば、嫌でも大変でも、頑張ろうという気持ちになります。そして実際の読書タイムが来た時には、ただ荷物を開けた時以上に、喜びと期待が膨れ上がっているのです。私の場合は、これを幸せと呼ばずして、なにを幸福と呼ぶのか、と思うくらいでした。
ですがやっぱり、読みたい本はすぐに手に取るのが一番なので、今度荷物を待っている時は、就寝前にも一度、ポストのチェックをするようにしようと決めました。ちょっと玄関を見に行くだけですからね、大した労力ではありませんし、そのまま寝なければいけない時刻だったとしても、大事な物は部屋に置いておきたいですもの。

幸せ色に染まる本

オンラインショップで注文していた本が届いたときのこと。事前に書影を見ていたのに、封筒を開封した直後「かわいい!」と叫んでしまいました。写真と実際に見るのとは、臨場感が違いますよね。イラストに関わるものということで、全編カラー、写真も満載!しかし読みどころもたっぷりです。これは知識のためももちろんですが、ちょっと落ち込んだときとかに見たら、元気になれるのではないかしら。
このように、読んでいる最中から幸せ一色になれる本というのは、案外少ないと思います。冒険ものだとハラハラしてしまうし、恋愛ものだとドキドキもするでしょう。コメディは大爆笑ですね。もちろんどれも読了後は幸せなのですが、読書中は、幸せというよりは、心が内容色に染まるんです小さな男の子たちがヒーローを真似して武器を振るうのも、女の子たちがプリンセスになりたくてお洒落をするのも、気持ちがわかりますね。
私はもう大人ですが「気持ちがわかるのは、子供っぽいのではなく純粋だから」で、「それだけ夢中になれるのはすばらしいことなんだ」と自分に言い聞かせ、今後も私なりの読書ライフを楽しんでいきたいと思います。さて次は、友人から勧められたサスペンスを読みましょうか。