会社で、向かいの席に座っている先輩がお昼休みにいつも本を読んでいました。熱中しているその姿に、どんな本を読んでいるのか気になっていたのですが、思いきって「何の本ですか?」と話しかけてみると、嬉しそうにタイトルを教えてくれました。そのとき読んでいたのが、銀色夏生さんの『つれづれノート』。銀色さんの日常を日記とイラストでまとめたものです。銀色さんの詩集は何冊か持っていたものの、日記は読んだことがなかった私に、その先輩は、「じゃあ、終わったら貸してあげるね!」と言ってくれました。そんなふうにして、社内での本の貸し借りが始まりました。『つれづれノート』を借りたお返しに、私は、よしもとばななさんの日記をおすすめ。日記好きな人なら、きっと面白いと思ってくれるはず、と選んだ本です。案の定、先輩は面白がってくれて、昼休みには二人で本の話をするようになりました。
毎日、会社で顔を合わせるので、本の貸し借りはとても便利。終わったらすぐ次の本を貸してもらえるし、自分も貸せる。感想も、読んだその場で言い合える。同じような本が好き、という共通点でぐっと距離が縮まり、仕事のことでもいろいろ相談にのってもらえるようになりました。