人それぞれの生きる術

「読書とは生きる術を探すもの」そう言った友人がいました。「小説を楽しむのもいい、知識を学ぶのもいい、けれど最終的には違う目的があるのではないか」という言葉の先に、続いたものです。もちろんこれは、処世術という意味ではないでしょう。
今までは一緒に、漫画やライトノベルを楽しんでいたのに、何があったのかと思い聞いてみると、とても感銘を受ける作品に出会ったのだということでした。彼女は、たとえば登場人物がかっこいい!と盛り上がっている作品があるとして、そのキャラやストーリー以外に目を向ければ、違ったものが得られるというのです。
言われてみれば、確かにそうかもしれない、と思う部分があります。以前読んだバトル漫画は、中世の外国を舞台にした作品でしたが、たとえばそこに描かれている文化は、史実に似通ったものがあります。それがきっかけで実際の歴史に興味を持ち、実際に学問として取り組む人もいるかもしれませんし、その登場人物そのものの考え方が、私たちの今後の思考に影響を与えることだってあるのです。
生きる術というととても難しいことのように感じられますが、きっとそれらは、案外身近にあるのでしょう。目から鱗の、友人の一言でした。