修学旅行そっちのけ

中学生のころ、友達ととても夢中になっていたマンガがありました。それが小説化されることが決定して、喜んで奇声のようなものを挙げながら手を叩いた記憶があります。なにも知らない人からみれば、ちょっとした狂気の沙汰でしたが、そのくらい嬉しかったんですよね。自分の好きなものが、様々な媒体に展開されていくのは、怖い反面、期待がたくさんあります。もちろん、失敗してしまう可能性だってあるんですよね。現にそれまでだって、好きなマンガが小説化してつまらなかったり、逆に大好きな小説のコミカライズが全然好きになれず、「こんなはずじゃなかったのに」「こんなのあの原作じゃない」と文句を言ったこともたくさんありました。それでも、嬉しいものではあるんです。心配も不安も、嬉しいからこその期待の裏にあるものなんですよね。実際、「絶対そのメディアミックスは合わない」と思っていても、そこはプロの技ですから、「まさかこんなに成功するとは」と化けてくれることだってありましたから。結局、その小説化が楽しみ過ぎて、修学旅行先でお土産も早々に、デパートの中の本屋さんに行って、発売日に購入し、帰りの新幹線の中で読んでいた記憶もあるのでした。