頑張らない読書

友人が「本って表紙を開くのが、ハードルが高いことあるよね」と言いました。確かにそうなのですよね。疲れている時は、そのたったひとつの行動が、とても手間に感じられるのです。しかしだからといって、電子書籍を読むために、パソコンのキーボードを叩くのも面倒と感じられるのですから、もうどうしようもありません。
私は、そういう気持ちの時は、自分は本を読みたくないのだろうと、きっぱり割り切ることにしています。たとえ図書館で借りてきたものの返却期限が迫っていたとしても、読了を諦めるのです。だって、無理をして読んだって内容は頭に入ってきませんし、苦痛なだけですもの。気がのらなくても頑張らなくてはいけない読書は、勉強に関するものだけだでしょう。
学生時代、嫌いな科目の教科書を読むのは、本当に嫌でした。テスト前だから集中しなくてはと思うけれど、やりたくないという思いが先に立ち、時間だけが経過していくのです。改善したのは、時間を区切ることを覚えた時でしたね。一時間だけ頑張ろう、そう思えば、案外乗り切れるものです。ただその策を得てなお、大人になって、そのような苦労なく好きな本が選べるようになった時は、嬉しかったですね。自由は幸福に通じるものだと実感しました。

公式ガイドで興味津々

有名な映画やドラマ、アニメなど、時々、公式ガイドと呼ばれる本が出版されることがありますよね。大抵は書店の目立つ場所に平積みになっていることが多く、該当作を知らなくても、つい目を惹かれます。ただ私の場合、そのまま購入してしまうことすらあるんです。たとえば表紙に出ている登場人物が格好良かったから、あるいはふと手に取ってあらすじを読んだら、面白そうだったから、等々。つまりその本が、私の興味を原作へと惹きつけたということですね。
その後は当然、元となった作品を見ますよ。夢中になるかならないかは、その時次第。なにせ先に公式ガイドを見てしまっているので、ちょっとしたネタはわかってしまっていますから、ちょっとした確認作業にも近い思いです。でも画面に映っている方はやっぱり素敵で、ストーリーは魅力的。後々も追いかけるほどになるかはわからずとも、その時は精一杯楽しんでいます。
公式ガイドなんて、本当にマニアなファンが買うんだろうと思っていた頃もありましたが、このような経験を経て、今ではすっかり考えが変わりました。人気作の『面白い』がたくさん詰まった最良テキスト、もし良さそうなものがあったら、またなにか買ってみようかしら。

石がジュエリーになるまで

友人の家で、宝石の写真集を見ました。彼女はあのきらきらとした美しい石が大好きなのです。ただ、身につけることにはあまり興味がないのだとか。アクセサリーとして使うことしか考えてこなかった私は、彼女の言い分に驚きました。しかし人の好みはそれぞれですから、これも楽しみ方のひとつなのでしょう。それに、私はこの写真集で知ったのですが、美しいカットをされてジュエリーとして加工されたものではなく、現先の中のひと筋の輝きも、とても魅力的なのです。
これが土の中から出てくるとすれば、まさに宝探しと言うにふさわしいでしょう。ですが、見つけるのは大変でしょうね……だって、一日中暗いところで土を掘り、それを細かく仕分けして、やっとのことで、ジュエリーに加工できるものがある、といった具合ですもの。しかも、石はここから研磨しないといけません。一ミリの狂いも許されない、細かな作業を続け、台座に取りつけたりして、やっとお店に並ぶのです。
これらはすべて、本に書かれていました。自分が知らなかった業界のことを知り、宝石の付加価値に気付かされた思いでしたね。またそれは同時に、目の前にあるものから、見知らぬ世界を見せてくれるのが書籍だということを、実感したひとときでもありました。