本、ときどき破壊神

この間友人が、映画のパンフレットをごっそり手放したと言っていました。作品を見た記念にと、映画館に行くたびに購入していたようなのですが、いい加減押入れの底が抜けそうになってきたから、売りに出したのだそうです。あれは公開時にしか販売されませんから、あとからその作品を知った人やファンの方にとっては、嬉しいものでしょうね。かくいう私も、DVDになってから知った作品のパンフレットを、探しまわったことがあります。
しかし、押入れの底が抜けるって、どれほどの重さなのでしょう。友人は「古い家だから、もともと壊れかかっていたんだよ」と言っていましたけれど、それにしてもすごいと思います。読書好きの我が家ですら、本棚の棚が傾いたことしかありませんよ。それは気付いたら、いつのまにか斜めになっていました。隙間なく、それこそパズルのように書籍を詰め込んでいたのが原因でしょう。
ただそうやってしまい込んでしまうと、数は入るのですが、取り出すのも大変です。結果、そこにあるものはあまり手に取らなくなるので、やはり適度な数に留めておくのがいいですね。できることなら壁全部を作りつけの棚にして、全体が見まわせるようにできればいいなあと、もう何年も思っています。

国語辞典にまつわる父の思い出

我が家には、表紙がとれてしまったぼろぼろの国語辞典があります。先日、書棚を整理した時に持つだけで崩れてしまいそうだったので、ガムテープで貼りつけたのですが、捨てられないのですよね。他に使うものがないのではなく、父から受け継いだ辞典だからです。
学生時代だった当時、国語の授業があるたびに、辞書を持って行くのはとても大変でした。なにせあれは鞄の許容量の多くを奪いますし、とても重いでしょう?でもだからと言って親に「学校に置いておくために、自宅用のもう一冊を買ってほしい」とは、言えなかったのです。今の学生さんは電子辞書を使うそうなので、縁ない悩みかもしれませんね。
そんな私の小さな苦労に気付いてくれたのが、父でした。彼は自室の押入れに突っ込んだままの段ボールを漁り「ぼろいけど家で使うならいいだろ」と、本当にぼろぼろのそれを、くれたのです。これでずいぶん助かりましたね。まあその頃は、「もっと綺麗なのがいい」と思いもしたのですが……なにぶん、思春期プラス反抗期だったので、しかたありません。ですが今となっては、懐かしい思い出。毎日わけなくけんかを吹っかけていた娘の私に、優しくしてくれた父に感謝をするばかりです。