漫画家さんの音楽事情

先日、知りあいの漫画家さんが、お気に入りの音楽について話していました。彼女は、プロットを立てる時はこの曲!というのが大体決まっているらしいです。ペン入れの時は作業という要素が強いので、テレビを見ながらでもできると言っていましたね。でもそれまでは、画面が動く物は駄目なのだとか。意識が持っていかれてしまうということかしら。
そういえば私が学生時代、深夜に勉強をする時は、たいていラジオを聞いていました。ただ本当に好きなアーティストのものではなく、聞き流せるものが良かったですね。しんと静まり返った部屋の中だと、なぜか集中できないので、音があるという状況を作り出していたとも言えます。でもお気に入りの方だと聞き入ってしまいますから、駄目なのですね。
ただ漫画家さんの話はよく聞きますが、小説家の方の音楽事情は、耳にしたことがありません。やっぱり常に文章を考えている身としては、音があると邪魔なのかしら。どこかでチャンスがあれば、ぜひご意見が欲しいところですが、残念ながら、簡単に質問できる知りあいはいないのですよね。まあ、話してもらえたからといって、私の好奇心が満足するだけではありますけれども……かなり興味はあります。

厄日には冒険譚を

先日、自宅読書のお供にと、冷蔵庫の奥からチョコレートを取り出そうとした時のことです。横着をせずに、手前に入っていたお皿をどけてから手を伸ばせばよかったのですが、それを面倒がってしまったので、案の定。前のお皿を落として、割ってしまいました。もちろん中に入っていた食べ物は、床の上に飛び散っています。ああ、やってしまったと落胆とともに片付けながら、私は子供の頃に見たアニメを思いだしていました。
動物が出てくるものなのですが、悪戯の子がいつもこうして、食べ物をこぼすのです。片付けのシーンはないのが常でしたが、あれをきれいにしていたのは誰なのでしょう。登場人物の家族かしら。毎回毎回、さぞ大変だったでしょうね。私だったら、わざとあんな風に部屋を散らかす子は、絶対許しておきません。
自分で自分に説教しつつ、部屋を片付け、チョコレートは諦めました。なぜか食べたいという気持ちが失せてしまったのです。そのかわりにお茶を入れて、椅子に座ってほっと一息。甘い恋愛小説を読むつもりだったけれど、このもやっとした気持ちが消えるように、冒険活劇に変えました。剣を振るう主人公に、敵も嫌な思いも全部、切り捨ててもらおうと思ったのです。