親友二人の不思議な関係

私の友人の一人は、本を全く読みません。ずっと一か所に落ち着いているのが苦手なのですって。そのせいで、ドラマや映画も苦手としています。もう一人の友人は、読書も映画も大好きです。他のことは見えなくなるほどその世界に没頭し、集中している間はずっとじっとしています。そんな二人が、親友同士なのですよ。
お互いの考えを否定することなく、自分の趣味を押し付けることもなく、彼らは昔から一緒にいます。だからといって、何かを一緒にやるということはありませんが、音楽の趣味が一緒です。一方は歌ったり踊ったり、楽器を弾いたりしながら聞いて、もう一方は、ただひたすらじいっと聞き入っています。お互い相手に「静かにしろ」とか「一緒に歌おう」とかは言いません。
タイプが違う二人を繋いでいる音楽って偉大ですね。ちょっと仲間に入りたい気がするけれど、あの独特の空気を壊したくないし、自分の浅い知識では申し訳ない気もして、曲を聞いている時は邪魔をしないようにしています。ちなみに私が彼らと友達なのは、学生時代に同じ班になったからです。それ以来なんとなく一緒にいて、気付けば皆大人になりました。縁も切れずに、年に一度ほど集まっています。不思議な関係ですね。

廃品回収で友達ゲット

新聞紙や雑誌などを廃品回収に出しに行き、回収場所で近所の人に会い挨拶などをしていたのですが、その人が突然「その本、捨てるなら貰えませんか?」と言いました。倉庫の奥にずっと置きっぱなしになっていた、古い月刊誌の山です。私としては、その方が持って行くことに何の問題もなかったので快く渡すと、その人は「その表紙の漫画、読みたかったんです」と笑みを見せました。
どうやら、好きな作家さんの短編が載っている雑誌だったようです。短編はコミックスにならないものもありますからね。そうなると過去の作品を読むには雑誌を手に入れるしかありませんが、なにせ期間限定もの、一度逃すと購入は難しいわけです。つまり私たちは、ちょうどよいタイミングで会ったということでしょう。その話が掲載されている号を、一番上にしたのも、偶然ですが良かったのですね。
相手は私よりも年上の方で、今までは世間話をするにしても、それほど突っ込んだ内容は話してきませんでした。それが、こんなところで漫画友達になるなんて、なんて嬉しいことでしょう。今度お礼に、お勧めの作品を貸してくれるとのことなので、楽しみにしています。私もなにか、貸すものを選んでおこうかな。

変わらない本の好み

この間、長く使っていたDVDレコーダーが壊れてしまいました。読み取りをする部分がおかしくなってしまったのか、録画はできるのですが、再生ができないのです。修理をお願いしようと思ったけれども、どうやら買った方が安い様子……ということで、再購入を決めました。
ただ最近の主流はブルーレイレコーダーですし、機能も昔よりだいぶ増えていますので、実際に買う前に、いろいろと下調べをしないといけません。けして安いと言えない品物だからこそ、後悔することだけは避けたいのです。これは何を買う場合にも、同じことですよね。スーパーで野菜ひとつ選ぶにも、重い物が良いとかめがつまっている方が美味しいとかありますもの。それは主婦の友達に聞けば詳しく教えてもらえます。レコーダーは、家電製品に詳しい友人に相談してみようかしら。
困った時には聞いてくれる人がいて、自分は恵まれているなあと思います。そんな彼らにできるお返しは、各々が好きそうな面白い本が出た時に、教えてあげることくらいでしょうか。仲良しグループそれぞれが選んだ道は、今はまったく違った方向に進んでいるけれど、最初知りあったきっかけは、共通の作品のファンだったことなのです。