本屋で見つけるぴったりの一冊

本屋でぴったりの一冊を選ぶ時間は、私にとって少し特別なひとときです。
入口をくぐった瞬間に感じる紙とインクの匂い、静かに流れる店内音楽、それだけで気持ちがふっと落ち着きます。本棚の間をゆっくり歩きながら、今日はどんな物語や知識と出会えるのだろう、と胸の奥がわくわくしてきます。

表紙を見るときは、まず色やデザインに目がいきます。柔らかい色合いだと「今の私に合っていそう」と感じますし、少し大胆な装丁だと「挑戦してみようかな」という気持ちになるのです。
タイトルを読んで、今の気分にそっと寄り添ってくれる言葉かどうかを確かめます。忙しい毎日で疲れているときは、優しく背中を押してくれそうな本に自然と手が伸びるんです。

次に、帯やあらすじを読みます。そこに書かれた一文が心に引っかかると、「これは運命かもしれない」と思ってしまうんです。ほんの数行なのに、不思議と今の悩みや憧れを言い当てられたような気がすることがあるからにほかなりません。特にページを少し開いて、文章のリズムや言葉の温度を感じるのも大切にしています。読みやすくて、でも軽すぎない、そのバランスが心地よいと感じたとき、「この本となら長い時間を一緒に過ごせそう」と思うんです。

最後に信じるのは自分の直感。迷った末に選んだ一冊を抱えてレジに向かうとき、少し背筋が伸びるような感覚があります。家に帰ってページをめくる瞬間まで含めて、本屋での本選びは私にとって小さなご褒美です。そんな時間があるから、また明日も頑張ろうと思えます。