頑張らない読書

友人が「本って表紙を開くのが、ハードルが高いことあるよね」と言いました。確かにそうなのですよね。疲れている時は、そのたったひとつの行動が、とても手間に感じられるのです。しかしだからといって、電子書籍を読むために、パソコンのキーボードを叩くのも面倒と感じられるのですから、もうどうしようもありません。
私は、そういう気持ちの時は、自分は本を読みたくないのだろうと、きっぱり割り切ることにしています。たとえ図書館で借りてきたものの返却期限が迫っていたとしても、読了を諦めるのです。だって、無理をして読んだって内容は頭に入ってきませんし、苦痛なだけですもの。気がのらなくても頑張らなくてはいけない読書は、勉強に関するものだけだでしょう。
学生時代、嫌いな科目の教科書を読むのは、本当に嫌でした。テスト前だから集中しなくてはと思うけれど、やりたくないという思いが先に立ち、時間だけが経過していくのです。改善したのは、時間を区切ることを覚えた時でしたね。一時間だけ頑張ろう、そう思えば、案外乗り切れるものです。ただその策を得てなお、大人になって、そのような苦労なく好きな本が選べるようになった時は、嬉しかったですね。自由は幸福に通じるものだと実感しました。