怖いもの、悲しいこと

今までで、一番怖かった経験はなんですか?たくさんあり過ぎて決められない人もいるかもしれませんし、そもそも怖いものに順位をつけるのが憚られる人も多いかもしれませんね。私もそうです。恐怖に順位をつけてしまうと、じゃあ一位ではないものは怖くないのかと思ってしまうし、一位があるんだったら、二位以下は別に起きても平気なのかと考えると、そんなこともないし…という気持ちです。だから、「こっちの方がまし」と言うことは出来ないんですよね。マイナスの出来事って、順位づけられることじゃないんです。どちらかを選んだとしても、どっちも起きてしまうことだって、更に酷いものも追加されてしまうことだってあり得ますから…と、少なくとも私自身ではそう思っています。子どものころ、近所で火事が起きたのはとても怖かったです。同じ町内の家で、子ども会が一緒の人のおうちでした。学年も性別も違う子の家だったのと、死傷者もなく済んだので、不幸中の幸いでもあったのですが、二階建ての家の上まで燃え上がっている炎はとても怖かったです。風下の家にも火が飛んでいるのを、危なくない程度に離れた場所から見ていたとき、子どもながらに「あの子が集めていた本はどうなったのかな」とか「みんなの写真はどうなるんだろう」とか、ぼうっと現実味のないことを考えていました。あれは恐怖だったし、悲しみだったと思います。