お古のおかげで本が二倍

この間近所のスーパーに行った時に、姉妹と思われる少女が、お揃いのワンピースを着ていました。それで思いだしたのは、自分の子供時代のことです。末っ子の友人は「自分はいつもお古を使っている」とぼやいていました。
子供はすぐに大きくなってしまいますから、親としては、個々に買うのは勿体ないと思うのでしょうね。今ならばその気持ちはわかります。でも本人としては「いつも新しいものを買ってもらうのは、お姉ちゃんばかり」という不満があったのでしょう。ただ私は、それを羨ましいと思っていました。だってたとえば、読書感想文を書く時のことを考えてみてください。あれは課題図書が決まっていたので、お古ではなく、彼女は新しい本を買ってもらえたんです。そうすると、姉の分と自分の分で、二冊の新刊が読めるんですよ。私は毎年厳選して一冊選んでいたのに、です。
隣の芝は青いと言いますが、結局はどっちもどっちなのですよね。親も限りある収入の中で苦労して子育てをしてくれていたはずなので、何も言えませんが、私が今たくさん本を買ってしまうのは、当時の反動もあるかもしれない、と思っています。ただ単に、面白そうな作品があるから、というのも考えられますけどね。