二度目でわかる手放さない覚悟

さらっと必要な部分だけを読むことが多いビジネス書は、じっくり読む小説よりも手放しにくい傾向があるのだそうです。「まだ読んでないところがあるから、念のためとっておこう」となるのですって。
でも、断言します。『念のため』保存するものはたいてい、再読しません。だってどんな本にしろ、次から次へと出版されていくのですよ。もちろん情報もどんどん更新されます。ストーリーなら古いも新しいもあまりありませんが、ビジネス書に必要なデータなんて、過去のものになってしまったら使えないでしょう。だから、よほど気に入っているか役に立つもの以外、再度手に取ることはないに決まっているのです。
かく言う私は、年に何度か書籍の大掃除をしています。読まなくてもとっておくほどの宝物は別として「これは読むかな?」と迷ったものは、思いきって手放しますよ。書棚のペースは有限ですし、欲しかったらまた買えばいいと考えているからです。お金の無駄と感じるかもしれませんが、実際に買うものはまれなので、ただの断捨離とも言えます。逆に言えば、二度目に手に入れた本は、よほど自分が好きなものだということが明らかなので、もう手放さない覚悟ができるでしょう。

本を買うのは読みたいから

この間古本屋に行ったら、福引券を貰いました。「次に来た時に使ってくださいね」と言われ、これは絶対お客さんを引き寄せるためのものだと思ったのですが……やっぱりまた訪れてしまいましたね。だって福引ははずれなしで、うまくいけばそのお店で利用できる高額商品券が貰えるのですよ。本を買うだけでこんなチャンスがあるのなら、いかない理由はありません。
しかし残念ながら……いえ、幸運にもと書くべきでしょうか。当たったのは、店主手作りのビーズのマスコットと、50円の商品券でした。なんでも、趣味で作っているものが溜まってしまったので、配ってみようと考えたのだそうです。思いついたら即行動できる、この自由さが個人経営の魅力でもありますね。
マスコットは机の端に置いて、毎日眺めています。そして商品券はなんと利用期限がないそうなので、今度行くときに使おうと、大切にお財布にしまいました。また引き寄せられていますね……。でも今回の福引で、思いました。やりたいことにチャレンジする店主さんを見習いましょう。欲しい本があるから買いに行く、そこに迷いを持ってはいけないのです。……お小遣いの限界が来るまでは。格好良いことを言っても、それは大事ですよね。

夢でも本でも主人公

先日、真っ青な空の中を、腕を羽ばたくようにして飛ぶ夢を見ました。目覚めている今から思えば、実際にはそんなことができるわけもありませんし、万が一にできたところで、きっと、高いところに怯えてしまうでしょう。しかしその夢では、風は気持ち良く景色は美しく、最高の感動を味わっていました。
この感覚は、主人公に感情移入をして読書をした時の気持ちに似ていると思います。日常の私は、絶世の美女でも誰もが尊敬する勇者でも、愛らしいプリンセスでもありませんが、本の中でなら、セーラー服を着た女子高生にも、偉大な魔法使いにもなれるのです。しかもそれについて、似合わないとか年甲斐もないなんて、文句を言う人はいないのですよ。まさに自分が主役なのです。なんて素敵なことでしょう。
もちろん、本を読み終えれば現実が待っていて、暑くても寒くても起きなければいけないし、すべきことをしなければなりません。でもあの時間があるから、妄想してストレス解消ができるし「また明日も頑張ろう」という前向きな気持ちになれたりするのですよね。ただ、本は好きなものを選べますが、夢はコントロールできないのが惜しいところ……でもそれもびっくり箱のようで、面白いと思っています。

心休まる古書店

先日久しぶりに、少し遠くにある古書店に行きました。ここに来るといつも入口で、深呼吸をしてしまいます。古い物にある独特な香り……友達は埃といい、知人はカビといいますが、あの湿ったなんともいえない匂いが好きだからです。時々吸い込みすぎて咳込んでしまうのは、ご愛敬だと思ってもらいましょう。ごめんなさいね、お客様。
特に目立つようなポップや注意書きはありませんが、数周もすればカテゴリわけがわかってきます。お気に入りの棚の前を、天井から足元までじいっと見つめ、何冊かを選んで、レジに向かいました。若い女性の店員が、年配の男性にレジを教わりながら勘定をしてくれて「ああ、新しいバイトの子だな」などと、穏やかな気持ちが胸に生まれます。なぜでしょうね。ここは、時間がとてもゆっくり流れている気がするのです。
小さな滑り台とブランコがあるだけの公園や、看板が傾いている古いカフェ、イチョウの綺麗な並木道に、ワインの美味しい地下のレストラン。中には一度訪れただけの場所もありますが、どこも心が落ち着くような素敵な空間で、この書店のように、安らかな気持ちになれます。こんな場所を知っている私って幸せだなあと、時々思うのですよ。

本は何でも教えてくれる

毎日うまくいっていると思っても、突然トラブルが訪れることってありますよね。そんな時、友達や家族など、信頼できる人に相談するというのもひとつの方法です。しかし私はたいてい、本のページをめくります。もちろん、今悩んでいる問題に対して、直接の答えが書かれているものは少ないですよ……というか、ほとんどありません。ですが本の中には、あらゆる世代の人がいて、様々な世界があります。絶対に、求める答えがどこかにあるはずなのです。
たとえば小説を読んでいる時に、漫画を楽しんでいる時に、それははっと見つかります。主人公が言ったたった一言の言葉や、ちょっとした行動の中に隠れていることもあるでしょう。作者の表現の一部であったりもします。それらは私の記憶に留まり、遠い未来に悩んだ時に、心の支えとなってくれるのです。そこまではいかなくても、気分転換として、純粋にストーリーを楽しむのもいいでしょう。
本は私の秘密をばらしたり、悩みについて、聞きたくもない意見を与えることはありません。どんな時も変わらずに、傍にいてくれるのです。なんてありがたい、私の友達。一生をかけて、添い遂げるに値する価値のある大切なパートナーと言っても、過言ではないでしょう。

好きな本だけ読めばいい

いつだったか、ベストセラーを手にした知人が言いました。「本なんて、面白かったら読めばいいし、つまらなかったら途中でやめればいいんですよ」流行りの作品には必ず目を通す彼に、どうしてそんなにたくさんのものを読めるのか、と聞いた時のことです。当然と言えば当然、しかし目から鱗に感じる人もいるのではないでしょうか。私たちは幼い頃から、毒はすることを求められているからです。
思えば小学生の頃は、毎日音読の宿題がありました。国語で習っている文章を、ひたすら繰り返して読むのですが、一時間で一作学ぶわけではないですからね。長期にわたるにつれ、読む方も聞く方も飽きてくるのですよ。もちろん学びの一環ですから、途中で「飽きたからやめる」「つまらないから別の話にする」などということはできません。でも勉強ではなく自由に選ぶ作品なら、それをしたって、誰も責める人はいないのです。
読書が苦手という人にこそ、ぜひ好きな本を次々に手に取ってほしいし、いつか、運命の一冊とも呼べるよなものに出会ってほしいと思います。そうしたら絶対に、本に対する意識が変わっていきます。無理しなくていい、好きな作品でいい、途中でやめてもいい。その言葉を胸に置けば、少しは気楽に、活字に向き合えるでしょう。

本を買うのは誰のため

先日「ライトノベルの作家で、専業をしている人はほとんどいない」という記事を読みました。いわゆる大御所と呼ばれる方はわかりませんが、若い方はなにか別にお仕事があって、生活の糧はそちらで、という方が多いのですって。作家といえば、一日中机に向かって、取材旅行なども行っているちょっと自由なイメージがあったので、これは驚きましたね。実際は、仕事をして家に帰って、その後に執筆を始め、次の日はまた仕事……というパターンなのでしょうか。
確かに書籍の出版数が減少していると言われている昨今、印税だけで生活をするのは、相当厳しい予感はします。ライスワークと呼ばれる言葉があるように、食べるためにはお金を稼がなければいけませんから、ダブルワークも必要でしょう。そう考えると、教科書に載るような文豪たちは、どのような生活をしていたのかしら。時代は違うけれど、とても興味深いです。
そういえば、有名な画家の中には、生前は全く認められずに貧困の中で生き、死後になって評価されるというパターンもありますよね。亡くなってからのどんな評価よりも、生きているうちに、そこそこの生活ができるだけのお金が欲しいと思った人もいたかもしれないと思うと、今本を買うことが、とても大切な気がします。

セットで見たい本作とスピンオフ

私がスピンオフという言葉を知ったのは、どのくらい前のことでしょうか。それが『メインの作品の脇役を取り上げて、その人を主人公に作られた作品』と知った時、どうしてそんなことをするのだろうと考えたのを覚えています。既に素晴らしい本作があって、ちゃんとした主人公もいるのだから、それで満足すればいいじゃないか、と思ったのです。
しかし実際に見てみれば、とても新鮮でした。その脇役のことは、正直に言えばそれほど好きだったわけではないのですが、その人にも人生があり、考えがあり、未来があるということがわかったからです。そんなことを意識し始めると、個々の個性を大切にしながら、個人の人生が重なるドラマを作るというのは、どれほど大変なことなのでしょう。大人のプロ集団が頭を抱えて考えて、時間をかけて作り出し、やっと視聴者が感動するものを作り上げられるのです。
私は見事な作品を見るだけですが、深く意識すればするほど、作り手の方に感謝したくなりますし、彼らの尽力……努力ではなく、まさに良作のために尽くしている、その精神を尊敬します。ぜひこれらスピンオフ作品が、本作とともに、時代を超えて長く残って行きますようにと、お祈りしましょう。

攻略本も読書に通ず

いつだったか、知人に「子供が本を読まないんだけど、どうしたらいいか」という相談をされたことがあります。小さなころからゲームに夢中で、読書は学校の教科書を渋々、でも音読はつっかえてしまって、とても苦手なのですって。
正直を言えば、私は子供の頃から書籍に触れていましたので、読みたくない人の気持ちが想像できません。だから適切なアドバイスかはわからなかったのですが、「好きな作品を読ませたらいいんじゃないか」と伝えました。ゲームが好きなら攻略本でも、関係する記事が載っている雑誌でもいいと思うのです。
もちろん親としては、古典や名作などを読んでほしいと考えるでしょう。ですが内容に興味がないものを読むとなれば、大人だって苦痛なはず。それよりはまず、文字に親しむことが大事ではないでしょうか。それに最近の、分厚い攻略本を読むのは、子供の方も気合がいるでしょう。完全読破ではなく、必要なところだけに目を通すのだとしても、です。
それでも、好きなことならば理解しようと思うのが人の常。好きなものが入口になって、いつか読書に抵抗がなくなれば、それが一番スムーズな方法でしょう。名作など、いつになっても図書館にありますから、興味を持ってからで十分なんです。

口を開いて、お財布さん

今久々に、書店に行きたい欲が膨らんでいます。それもいつも通っているところではなく、始めていく広いところがいいですね。どこになにがあるのかわからなくて、迷うくらいであれば、特定のジャンルにこだわらず、すべてを眺めることができそうです。
それというのも、いつものお店だと、もう棚の配置がわかっているので、ついお気に入りのコーナーばかり見てしまうんですよ。でもたまには刺激が欲しいというか、新しいものにも触れたいのですよね。
ただこの希望を叶えるためには、事前にお財布を説得させることが、最重要課題です。たいてい相談しても、あっさり口を開いてもらえませんからね。お財布さんは「欲しいのは別れるけれど、節約しなさい」とばかり、ぎゅっと口を閉じたきり。でも最近は私も頑張っていたから、たまには許してほしいところです。
このように擬人化して考えると、ちょっと厳しい状況でもなんだか楽しくなってきます。そういうわけで、書店に出発する日程を決めましょう。今まで必要最低限におさめていたのだから、本当に、今回くらいは弾けたいのです。とりあえず、気になる本のリストを作って、あとは一期一会の出会いにお任せします。もちろん、お財布に補充も忘れずにね。